人材育成の黄金比とは

いよいよ春らしい陽気が感じられ、桜の開花が待ち遠しいこの頃ですね。

4月に入社する新入社員は、今頃どんな気分で過ごしているのでしょうか?

新入社員でなくて中途入社の社員を採用する会社もあると思います。

しばらく誰も入社しないとしても、今おられる従業員が新しい仕事を覚えることがありますよね?

新しい組織、新しい仕事など、今までと違う新しい環境に飛び込む人の心境はどんなものか想像できますか?

目次

新人の気持ちになってみる

新入社員でも今おられる従業員でも、具体的な顔を思い浮かべてください。

彼らのうちの一人になったつもりで、こんなシーンを想像してみましょう。

。。。

さあ、新しい仕事を今から教えてもらいます。

どんな気分ですか? ドキドキしますか?

教えてくれる人の顔(実際にトレーナーに任命する人)を思い浮かべてみましょう。

その人は、どんな教え方をしていますか?

教えてもらって、あなたはどう感じましたか?

。。。

もうすぐあなたの会社の従業員が味わうことになる気持ちを、体験していただきました。

教えてもらった結果、あなたはどのような思いで仕事に向き合っているでしょうか?

何か課題に気付きましたか?

新人はよく見ている

新入社員の3から4割は3年以内に退職すると言うデータがあります。

✕ 我慢が足りないから

〇 組織のことを冷静に見極めているから

 つまり、必ずしも感情に流されているというわけではないのです。

この傾向は中途採用の社員であっても同じです。

若いから転職が当たり前の考え方になったと言うよりも、情報化社会になって、より客観的に組織のことを評価していると考えられます。

人材育成の黄金比とは

10:20:70

この数字が人材育成にかける時間の比率で最適なものと言われています。

10 座学の割合

セミナー、動画、書籍など、仕事以外の場面で知識を身に付けることで育つ。

20 直接の教育の割合

上司や先輩から具体的に指導されることで育つ。

70 仕事を通じて身に付ける割合。

一般的にはOJTと言われる。実務を経験することで育つ。

この比率は何のことかわかりますか?
✕ 重要度

〇 使う時間の割合

必然的に、仕事を通じて身に付ける割合が70%と高くなるのは当然です。

ですが、10の座学や20の直接の教育を軽んじていては、効果的に育成することができません。

20と70はセットで考える

組織によっては、OJTという言葉を勘違いしています。

簡単な説明だけして、後は実作業をどんどんやらせれば、自然と育つと考えられがちです。

しかし、特に若手はこの考え方についていけません。

しっかりと教えてほしいと思っているので、自分を育ててくれる環境がないと判断した場合には、当然のように退職していきます。

彼らの理想の上司像は、細やかな指導ができる人なのです。

まずは、20%の時間をかけて直接の教育をしっかりとしてから、70%の実作業に取り組ませるという流れを確立しましょう。

直接の教育については、前回お伝えした手法を使って、段階的に、じっくりと教えることで、結果的には早く正しく育ちます。

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10の時間を確保するには?

先ほど、この割合は、人材育成に使う時間だと言うことを述べました。

つまり、実務も含めた人材育成の時間のうち、10%は座学によって知識やノウハウを高める必要があると言うことです。

週40時間の10% =週4時間= 1日48分

これだけの時間を学ぶために確保できますか?

ちなみに、これは新人に対する人材育成の事だけではありません。

今おられる従業員の方に対しても、同じように時間をかけて学んでいただくことで、成長が期待できます。
(逆に言うと、そうしないと成長が期待できません。。)

カ○○ンしかない

この時間を確保するには、当然、今の仕事を見直して時間を生み出すしかありません。

  • カイゼンする
  •  →時間が増える
  •  →学ぶ
  •  →育つ
  •  →新しいアイディアが生まれる
  •  →さらなるカイゼン

このようなサイクルが生まれたらすごいと思いませんか?

すでにカイゼンの文化やきっかけ、そのための時間の投資ができるなら、問題なくこのサイクルを回せると思います。

ですが、そうでないなら、このサイクルを乱すには投資の判断が必要です。

経営者であるあなたは、どのアプローチでこのサイクルを見出しますか?

  1. 設備投資
  2. 残業による時間の確保
  3. 外部講師によるカイゼンノウハウの展開

何もせずに「とにかくやれ」では何も変わりません。

適切なリソースの投下と仕掛け作りによって、人がどんどん育つ組織を作っていきたいですね。

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