中小企業でも、本当にそこまで採用に強くなれるのか?
前回、茶化というフレームワークで人材管理の重要項目をお伝えしました。
今回はその一つ目である、サ・・・採用についてお伝えします。
今、中小企業のほとんどが採用に苦戦しています。新卒を採用したくても、学生が集まらないという声をよく聴きます。ですが、待ちの姿勢では新卒は集まりません。採用のノウハウを学び、しっかり戦略を立てていきましょう。
新卒の採用コスト平均60万円が7万円になる採用メソッド 入社1年目社員を採用担当者に抜擢しなさい
知人でもあり、過去にコンサルティングを依頼いただいた経営者でもある著者の新刊が非常に興味深いタイトルだったので、思わず手に取りました。当時のコンサルティング内容が組織と新規事業に関する内容。また、それ以外の交流の場面でも組織に関することは常に口にされていました。人をどう育てていくのか、熱い思いを持って常に考えておられる姿勢をいつも見ていました。本書を読むと、地に足の着いた実務的な内容だと感じました。
要点をズバリ言ってしまうと、
入社一年目を採用担当者に抜擢する
ということです。
(サブタイトルにもなっているので、ネタバレではないです)
ふつうなら、新入社員にどんな仕事をさせますか?
✕ 業務をいきなり担当させる
〇 新卒採用を担当させる
・・・いきなり??と驚きますよね。
これにはちゃんと理由があります。新入社員にはまだ業務のスキルがありません。この時期は教育の時期です。ステップを踏んで、少しずつ仕事を覚えてもらいます。会社からしてみれば、先行投資。非常にコストパフォーマンスが悪いです。しかも、入社後3年以内に3割の人材が退職すると言われています。
であれば、業務の指導より優先することは何でしょうか?なぜ、即戦力になる中途採用ではなく新卒採用をしたのでしょうか?
そうです。新卒採用の最大のメリットは、白いキャンパスに好きな絵を塗れることです。つまり、会社の考え方を徹底的に理解してもらうことができるのです。考え方を理解した上で業務を覚えた方が効率が良いし、会社への定着率も高まります。
新入社員を採用担当者にするメリットとして、若者の気持ちを一番理解できることが挙げられます。若者の価値観と会社のニーズのマッチングをしやすいのです。
そして、会社をアピールするために、会社のことを深く理解することが必要。準備として会社のことを学ぶことで、以下の成長が期待できます。
①会社の考え方を理解できる。
②会社全体の仕事の流れを理解することで視野が広くなる。
③コミュニケーション能力が養われる。
営業マンが商品知識を身につけることによって、商品の魅力を心から伝えることで売上が伸びることと同じですね。
この本には、これだけでなく総合的な採用・育成戦略について具体的な事例を豊富に公開しながら書かれています。
人材不足の中小企業が即戦力として中途採用を実施する戦略はもちろん正しいです。ですがやはり、新卒採用と中途採用のそれぞれの良さを理解してバランスを取りたいところ。この本は新卒採用について書かれていますが、中途採用も根幹は同じ。「中途採用に応用できることはないか?」と頭の中で置き換えながらお読みいただければ幸いです。