茶化して、しっかり理解する人材管理

「いい人材がいない」本当によく聞く悩みです。しかもこの数年、この声を聴く頻度が急激に上がったと実感します。前回、社員の幸せと会社の成長のコツでお伝えしたように、とにかく今は人材確保が難しい。もう待ったなしの人材獲得戦争なのです。外からどう獲得するかだけでなく、今いる人材にどう活躍してもらうか。この、人材確保を含めた人材管理が企業の生命線になっています。いつまでも事業を続けるために必要な人材管理を体系的に考えるためのフレームワークが、タイトルにある「茶化」です。

 茶化 これをバラバラにしてカタカナにします。

サ・・・採用

ハ・・・配置

ホ・・・報酬

イ・・・異動

ヒ・・・評価

 まずは、これらを眺めながら、御社の体制を振り返ってみましょう。強い面、弱い面がありますか?よく、「強みを活かそう。弱みを補うのは大変だから」と言われますが、残念ながら人材管理に関しては弱みをできる限り補う必要があります。これからの時代、弱みは採用困難と人材流出に直結するからです。

 なぜこのように体系的に理解する必要があるのか?もう一つの側面から見てみましょう。みなさんのビジネスを思い浮かべていただきたいのですが、商品・サービスをお客様に買っていただくのに、プロセスを設計しておられると思います。認知してもらい、興味を持ってもらい、選んでもらう。買った後もコミュニケーションを欠かさず、アフターフォローもしっかり行い、ファンになってもらい、リピート購入していただく。その一つ一つのプロセスがつながってお客様との関係が続きますよね?

 顧客満足度を高めるのと同じように大切なのが、従業員満足度、さらには従業員幸福度を高めることなのです。

 ✕ 採用したら、それで終わり。あとは現場に任せる。

 ✕ 報酬は市場でのレベルを意識していない。

 ✕ 異動、配置は会社の都合。本人の成長を意識していない。

 ✕ 評価をする上司のスキルにバラツキがあり、えこひいきが横行している。

あなたなら、こんな会社で働き続けたいでしょうか?

 茶化というフレームワークを通じて、人材管理の全体像をご理解いただけたと思います。その上で、チェックリストとしてすべての項目を確認してみましょう。どれかで自社の弱みを認識されたかもしれません。どうすれば良いか?今は情報を得やすい時代です。他社の成功事例を学び、ギャップを埋める第一歩を踏み出すことが重要です。人材は、人財。人は宝です。会社を支える貴重な財産として、しっかり管理していきたいですね。

 次回から、茶化の項目の一つ一つについて、順番にお伝えします。

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