働く人がいなくなるとはこういうことなのか
バス減便のショック
バスの運転手が不足して、減便や廃線となるバス会社のニュースがありました。
https://merkmal-biz.jp/post/44307
非常にショックなことです。
利用者がたくさんいて、運行さえすれば十分に採算がとれるような都会の公共インフラにさえ、このようなことが起こるとは。
物流業界の2024年問題については以前から問題視されているため、不安に思っていました。
ところがそれを待たずして、あらゆる業界で人材不足の波が押し寄せつつあります。
公共交通もそうですし、建設業も同様です。
社会インフラの維持に必要な人材さえもいなくなってきました。
私たちの商売どころか、生活に関しても、社会活動そのものが困難な時代に突入しつつあります。
当方が支援している中小企業のみなさまにとっては、まさに死活問題です。
人手不足による悪循環
特に装置産業、つまり工場などの固定資産を活用して利益を生み出す産業にとっては、以下のような悪循環が起こります。
- 人がいないと稼働率が下がる。
- 売上が減り、固定費が重くのしかかり、利益が減る。
- 給料を引き上げることができない。
- 市場に見合う待遇を提示できないため、人材が集まらない/給与が高い他社へと人材が流出する
→1.に戻る。以下、繰り返し。
どうしようもない悪循環ですよね。
未来を見据えた国の方向性
人口減少による、事業の破綻と社会の混乱。
これはすでに確定した未来。
それでも何とかするために、国としても大きくは2つの方針を打ち出していると理解しています。
業界再編
規模の大小はともかく、M&Aを活用して企業が効率の良い経営ができる大きさへ統合することを後押ししていると感じます。
もちろん表向きは後継者がいなくて廃業してしまう優良企業を救うことですが。
結果として小規模事業者は統合されて、数は減っていくことになります。
人的資本経営
今まで豊富にいた人材は、同じようには獲得できません。
限られた人材をどのように活用するか。
これができるとできないで、企業の命運が分かれると言っても過言ではありません。
人的資本経営って、つまりはどういうこと?
数値の開示だけではない
「人的資本経営って、つまりは人に関するKPIを開示することでしょ?」
そんな声をよく聞きますが、それは人的資本経営の一つの側面にすぎません。
組織のビジョン・戦略に、どのような人材が必要なのかを把握する。
それを実現するために、人にしっかりと投資して、輝いてもらう。
その結果が反映される指標を決めて、PDCAを回す。
従業員に輝いてもらうには?
大きく分けて、2つの取り組みによって実現できます。
適材適所
均一な能力を求めるという時代は終わりました。
昔は「社員は組織の歯車にすぎない」などという表現がありました。
ところが、規格通りの歯車という考えは過去の産物なのです。
その人の強みをいかに活かすか?
どのようにメンバーを組み合わせると、組織の成果が最大化するか?
それを、「思い切って」判断することが求められます。
学びと成長
足りない能力を、いくらでも外から獲得できる時代ではありませんよね?
今いる人材を大切にするしかない。
では、どうするか?
学びの機会を提供して、成長してもらうしかありません。
これは、何もリスキリングで全く異なるスキルを身につけることだけではありません。
学びを続けると、成長します。
- 自分の仕事の仕方。
- 問題解決の考え方。
- マネジメントのコツ。
- 適切なコミュニケーション・
「今のままで十分」という、井の中の蛙状態から、いかに早く抜け出させてあげるか。
それは、どんな学びをどのように提供するかにかかっています。
一人一人に向き合うしかない
これらの対策は、机上での計画だけで実行できそうでしょうか?
そうです。
従業員の一人ひとりに向き合わないと実現できません。
向き合うといっても、言うは易く行うは難し、ですよね?
もちろん、やみくもに向き合おうとしても、時間ばかりを使ってしまい効果が上がらないこともあります。
では、どうすれば?
次回、どのように一人ひとりに向き合えばよいのかをお伝えします。
使いやすいツールもご紹介しますので、どうぞお楽しみに。