最近いただく経営に関する相談は、人材の悩みとは限らず多種多様です。ところが、結局は根底にあるのは人材の問題だと実感しているこの頃です。
今回は、ほとんどの社長さんが頭を抱えておられる、本質的な話をしたいと思います。
社長が本当に必要とする人材とは?
会社は生き物なので、日々のエサ(キャッシュ)を切らしてはいけません。その一方で、成長のためのエサ(投資)を与え続けることが必要です。
日々の経営課題は刻々と変化しますよね。
経営者が目の前の課題に追われていては、未来のことを考えられずに、会社は成長できません。
事業を、そして組織をどう成長させるか。
経営者の肩にかかる負担はとても大きいですよね。
参謀という存在
それを一緒に負ってくれる存在が、いわゆる「参謀」です。
社長の仕事は意思決定をすること。
参謀の仕事は、そのための課題整理をすることです。
「仕事ができる」と「参謀に向いている」は違う
よくある悲劇
こんな話を聞いた事はありませんか?
実務がよくできる人を昇進させて、そのまま管理職にしたところ、全く期待通りの働きができず、組織が疲弊してしまった。
これは本人に管理職としての適性がないのに、仕事ができるからといって昇進させてしまったから。
あるいは昇進前と昇進直後にしっかりと管理職研修を実施して育成しなかったことが原因であると考えられます。
番頭さんとも違う
多くの中小企業には、社長に次ぐ2番手の存在、いわゆる番頭さんという立場の人がいます。
この方が経営参謀を務めてくれれば良いのですが、よくおられる番頭さんはタイプが違います。
どちらかというと今の仕事、今の組織を維持する能力に長けておられる方が多いように感じます。
経営課題を解決するには、「変える」ことができる人材が必要です。ここが番頭と参謀の大きな違いです。
参謀の要件とは
参謀の要件はたくさんあるのですが、あえて3つだけ挙げてみたいと思います。
鳥の目、虫の目、魚の目で考えることができる。
鳥の目とは、より高い視座で、広い視野で物事を捉えることができることをたとえたものです。
虫の目とはより細かいところを見ることをたとえたものです。
木を見て森を見ずではなく、木も森も見る。このバランス感覚が大切です。
魚の目とは、潮の流れを読む事をたとえたものです。
刻々と変化する外部と内部の事業環境をしっかりととらえることが大切です。
参謀は、これらの目を使い分けながら、社内と外部の環境変化を捉える感覚を持った人です。
効く打ち手を考えられるか?
何が課題なのかを見つける力
まずは何が課題なのかをしっかり整理することが必要です。
複雑に絡み合った現状の中で、ボトルネックを特定する。
その上で、どのように打ち手を決めるのか?
もちろんたくさんの知識が必要ですし、センスも求められます
学びながら実践していくことで身に付くことが多いと思いますので、一朝一夕ではいかないところが悩ましいところです。
PDCAをしっかり回す。
いくら良い分析をして、良い案を考えたとしても、それが実行されなければ絵に描いた餅に終わってしまいます。
実行するためのプランをしっかりと作り、組織を動かし、進捗状況をしっかり把握しながら、細かく方向修正を行う。このPDCAサイクルをしっかり回す能力が大切になります。社長さんでこれを緻密におこなうことが苦手な人も多いので、参謀としてはまずはここから担っていくのが良いと思います。
参謀は1日にしてならず
参謀は社長と同じあるいはより高いレベルの人材であることが、上記よりおわかりいただけたと思います。
では、そんな人材をどのように確保するのでしょうか?
外から連れてくる
外部からの採用で、スキルの高い人材を獲得するのが1番手っ取り早い方法です。
ところが、それだけのスキルを持った人材ですと、労働市場での給与水準はおそらくかなり高いものと思われます。
なんせ、組織に莫大な利益をもたらしてくれる人材ですので、企業間で引く手あまたなのです。
くわしくは、経営企画という職種で調べてみてください。
大手企業の管理職だと1,000万円を超えると言われています。
運よく優秀な人が来てくれたとしても、自社の文化にマッチするかは不明。
また、組織のことを理解して役割を果たせるようになるには、少し時間が必要でしょうね。
そうなると、やはり社内で育てることが必要になってきます。
参謀人材の育て方
参謀の役割は片手間にできるものではありません。
参謀にしたい従業員の、現在の仕事を半分に縮小して、兼任させることが現実的かと思います。
できれば専任としたいところですが。。
そのためには、その従業員の今もっている仕事を思い切って整理し、半分にすることが必要です。
そのためにカイゼンが必要となりますが、それをその従業員に進めてもらって、参謀としての腕を試しておくのも一石二鳥なやり方だといえますね。
時間を確保したら、後はみっちりと社長が経営ノウハウを叩き込むだけ。
時間はかかりますが、きっと優秀な人材が育つことと思います。
時間とクオリティに投資するのも有効
とは言え、業務を改善して、時間を生み出したり、経営のノウハウを叩き込んだりする事は、社長自身にとっても大きな負担になるはずです。
また、時間もかかる上にすぐには効果が出るわけではないために、つい先延ばしにしてしまいがちです。
そんな時は、私たちのような専門家にご相談ください。
当方は経営参謀として社長に寄り添いますし、経営人材を育てるお手伝いをさせていただきます。
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