勝てる監督がやっているたった2つのこと

サッカーワールドカップ2020カタール大会、強豪ドイツに続いてスペインまで破った日本代表の活躍に、日本中から歓喜の声が上がっていますね。

30年前のドーハの悲劇を選手として経験した森保監督による「ドーハの奇跡」。これほどドラマチックなことがあるでしょうか?

私は選手のこともろくに知らない「にわかファン」ではありますし、スペイン戦も生放送では得点シーンが全て終わっている時間帯に起きたという残念な想いもしています(涙)

目次

ジャイアントキリング!!

ですが、サッカーは好きなんです。「ジャイアントキリング」というサッカーマンガを愛読しています。同じくこの漫画に影響を受けた小学生の息子と一緒に、「夕暮れへなちょこサッカー」を毎週末楽しんでいます。日の入り30分前に河川敷でボールを蹴りあっているだけですが。。

このジャイアントキリング(略称:ジャイキリ)というマンガは、弱小チームに就任した破天荒な監督が、コツコツとチームを作り上げていく過程が丁寧に書かれているものです。選手たちの心理状態が丁寧に描かれていて、チーム運営に携わる経営者の方には非常にオススメです。

この漫画を読むきっかけになったのが、人材マネジメントの本を探していて出会ったこちらの本です。マンガのシーンも豊富に引用されており、監督のチーム作りの要点がよく理解できる本です。スペイン戦でさかんに言われたジャイアントキリング=大金星を挙げる活躍をチームに求める方には必読だと感じます。

今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則ーー『ジャイアントキリング』の流儀 [ 仲山 進也 ]


さて、本題に進みます。かつて日本代表でボランチとして活躍した森保監督は、サッカーの専門性に秀でています。もちろんそれだけでなく、やはりマネジメントの能力が抜群に高いことが勝因の多くを占めていると思われます。

では、「勝てる監督がやっているたった2つのこと」とは何でしょうか?

もちろん監督という仕事はたくさんのことをしなくてはなりませんが、私は「○○の37のコツ」とかいう、絞り込まずに詰め込んで列挙した本や記事が苦手なので、シンプルに2つに絞り込みました。

敵と味方をよく知る

「観る」ことの大切さ

森保監督は2014年に書かれた自著の中で、「観る」ことの大切さを語っています。

対戦相手の情報を試合映像を通じてじっくり「観て」、分析し、その上で戦術を考える。これはどこの監督も行っていることと思います。

彼がすごいなと思うのは、選手の一人一人をしっかり「観ている」ことだと思います。スタメン選手だけではなく、ベンチ組、サブ組、A代表のみならずユース代表の選手まで。動きの一つ一つ、心の動きまで。

ご本人は、サッカーをやっていなかったら心理カウンセラーになりたかったそうです。それほど、人に興味を持ち、心の動きを大切に考えていることが結果につながっているのでしょう。

経営者にとっても人を「観る」ということはとても重要です。どんな見事な仕組みを作り上げても、事業を進めるのは、結局は人です。あなたが人を「観る」ことで組織のパフォーマンスが左右されます。

組織の規模によってはあなたが全ての従業員を観るわけにもいかないと思います。各管理職は「観る」ことのできる人を配置していますか?

作業が上手にできることと、マネジメントができることは違います。それを見抜き、しっかり指導したり再配置したりすることで、間接的に全社を「観る」ことができますね。

場を与える

選手起用というのは、非常に難しいものです。ドイツ戦でもスペイン戦でも、途中交代した選手が結果を出しました。采配的中なんていう表現もされますが、まさに監督の決断一つで結果が変わるわけです。

しっかり選手を観て育てた後に、活躍できる場に送り込む。試合の流れを観て、今後の動きも読んだ上で交代を決断する。

そこで試合に投入する理由は、その選手が戦術の実行に必要な「強み」を持っているからです。

企業の組織では、人材のミスマッチが起こることがよくあります。完璧な人などいないので、これは仕方がない面もあります。ですが、強みを活かせる仕事に割り当てられれば、人は自然に輝きます。

どのように活躍できる場を与えるか? これがマネジメントのポイントになりますね。

また、誰もがすぐに代表のレギュラーになれるわけではありません。招集した若手を練習試合や強化試合に出場させ、本人の適性を見極めながらも経験を積ませて育成する。

企業においても、先を見据えて従業員に様々な経験を積ませるようにチャレンジを与えることが大事ですね。

浸透させて1つにする

先ほど敵と自分のチームを「観る」という話をしました。その情報を分析したうえで、何を目指すのか(目標)、どのように戦うのか(戦略・方針・コンセプト)をしっかり決めるのが監督の大事な仕事です。

そこで決まったことを、チームの一人一人に伝え続ける。これが2つ目の成功要因だと考えます。

伝え「続ける」ことが大事

監督の考えを全選手が理解すれば、何が起きるでしょうか?

監督が「こうすれば勝てる」と読んだ勝ち筋通りに進む確率が高くなります。チャンスの時にもピンチの時にも、体が正しい方向に動いてくれます。

会社で経営者が掲げる経営理念、目標、方針、指針、、、

これらがただの念仏になってしまってはもったいない。従業員全員の身体に染み付くまで、繰り返しコミュニケーションをとり続けるしかないです。あなたの見つけた勝ち筋、確実に実現したいですよね?

最終的には自主性にまかせる

森保監督は映像では口笛を吹き鳴らしたり大声で叫んでいるイメージがありますよね。ですが、基本的に「選手の自主性を重んじる」タイプの監督です。

先ほど述べた、

  1. 観る→分析→場を与える→育てる
  2. 観る→分析→目標・戦略を作る→浸透させる

この2つを確実に実施していれば、あとは選手が勝手に動いてくれます。だからこそ、あの場面であんなファンタスティックなプレイをできるわけです。

森保監督は特別な能力を備えた指導者というわけではないと思います。ただ、このような基本的なことをコツコツと地道に積み重ねてきたからこそ、強いチームを作ることができています。

企業経営においても、組織作りは地道としか言いようがない。基本をしっかりできる企業こそが強くなります。

とはいえ、裏ワザが必要な場面も

もちろん、その基本を実行するのが大変、あるいはどのようにしてよいのかがわからない経営者も多くおられるのが事実です。そのために私たちのような専門家がいます。

複雑に絡み合った問題を解きほぐし、真の要因に効く効果的な仕掛けを作る。地道にはできなくても効果的な打ち手が必要な経営者のために。

日本代表に組織の「あるべき姿」とそのコツを学びつつ、組織の課題を考えるところから始めましょう。

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