休暇に関する生産性低下についてお届けしています。前回は、休暇を取れない(&残業が多い)ことが如何に生産性へ悪影響を及ぼすかを述べました。
ある労務管理セミナーで製造業のメンバーの要因分析をシェアしてもらったところ、共通した答えがそこにありました。
Q どうして休みがとりにくいのか?
A その人しかできない仕事(属人化した仕事)があり、休めない状況になっている。病気などで急に休んだ場合は、誰もやり方が分からずに大混乱に陥る。(=生産性が極端に低下する)
いやいやいやいや。。。これは本当に危ない。これに備えるのも、まさにBCPです。
その人が病気などで急に長期離脱した場合、ビジネスが崩壊する危険性もある、ということですよね?特に、エース社員にこの傾向が多いと言われています。その結果、エース社員には負担が集中し、休みも取れず、満足度が低下し、ある日急に退職するかもしれません。考えただけでも恐ろしい状況です。
シンプルな解決方法
でも、逆を返せば、、どうしたらビジネスのリスクを下げ、従業員の休みを増やせるか、答えがシンプルなことに気が付きましたか?
そう。
属人化をなくせばいいんです。
絶対に穴を開けられない仕事は、共有すること。マニュアル化→多能工化により、かならず誰かがバックアップできるようにします。こうすることで、個人の能力も上がり、仕事も平準化されます。そのためには「教える」ためのコストがかかります。しかしながら、その人が休んだときに起こる混乱、仕事の停滞、つまりは不要なコストを回避するための先行投資だと割り切りましょう。そのリターンは、休みが取れて生産性の高い社員が生まれ、職場が活性化することです。
シンプルな問いによる気付き
何気なく、問いかけてみましょう。
- 明日、急に用事ができたとしたら休める?
- 無理?なぜ無理なの?
- 自分にしか出来ない仕事?どうやったらAさんもできるようになるかな?
と、何気ない会話から始めて、なぜ?なぜ?と掘り下げていきましょう。コーチングの技術を絡めていくことで、気づきを与え、自発的な行動を促し、自然に属人化を解消していくのが理想です。このアプローチも、職場の活性化のためには重要です。自ら考え、状況を変えていける人物をそだてていきましょう。