「蔵開き」に見る、巧妙なマーケティング戦略

たつの市にある、インスタントラーメンと素麺の製造販売、イトメン株式会社。毎年、「蔵開き」というイベントを開催しています。地元の人たちを製品倉庫の中に招待して、在庫品を低価格で販売しています。それだけでなく、中に入れば、彼らの主力商品でもある播州そうめんの無料試食ができます。 なんという大盤振る舞い!

なぜこんなことをするのでしょうか ?

マーケティングのプロならピンとくるはずです 。

まず、無料のそうめんを振る舞うことで返報性の原理が働きます。 つまり、「これだけ良くしてもらったのだから、少しは何かを買わないと」という気持ちが働くわけです。すると、どんどん売れていく。地域の一大イベント。特設レジには長蛇の列。もうお祭り状態です。

次に、「蔵開き」というネーミング。実際に在庫処分なのかは不明です。しかし、その響きには、定価より安そうな雰囲気が漂います。 地元の住民だけに許された低価格な買い物。買わなきゃ損、というわけです。 財布の紐はさらに緩みます。

そしてここで満足度が高まった場合、お客様は確実にリピーターになります。ここが一番大切な所。新規のお客を獲得するには既存顧客の5倍はコストがかかると言われています。中小企業はリピーターを大切にし、限られた資金を有効に使う必要があります。コスト面で言うと広告宣伝費を非常に有効に使っている事例だと言えます。

あなたが行っている販促活動、本当に有効でしょうか?または、コストをかけないと販促できないと思い込んでいませんか?ここにも、コストダウンのネタ、宝の山が眠っているかもしれません。

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