賃金引き上げや、人材不足のニュース、あるいは、実際のお悩みが耳にどんどん飛び込んでくるこの頃です。人は、意識しているものを情報としてキャッチしやすいと言いますが、私がこれらの情報に敏感になっているだけなのでしょうか(苦笑)?
皆さんはいかがでしょうか?
前回お伝えしたビズ〇ーチのCMに関しても、「そんなCMなんて見ないよ」と言う人もおられるかもしれませんね。
でもやっぱり、経済誌などのメディアから流れてくるのは、同じような温度感、つまり人手不足が深刻になり、転職する人が増えている状況ですよね。
私がフォローしているSNSやメールマガジン等の情報ソースからも、HRテック企業が沸き立っていることを肌で感じます。ウェブサービスやセミナーの数が一気に増えたと感じています。
テーマとしては
- 「リスキリング」
- 「自律型人材」
などの人材育成に関するものが多いですね。
競合他社はすでにシフトチェンジ?
ここからわかるのが、あなたの競合である大手企業がシフトチェンジしていると言うことです。これらのテーマにすでに取り組み始めていて、おそらく何歩も先を走っているものだと思われます。
なぜ一気にシフトチェンジが起こっているのでしょうか?
労働市場は、焼け野原
「潮目が変わった」と何度かお伝えしている通り、少子高齢化による人不足は、待ったなしの急な加速度になっているからです。
顧客を奪い合うだけではなく、今は人材の奪い合いが企業競争の重要ポイントになっています。
大手企業は育成に力を入れることによって、従業員のエンゲージメントを高め、離職率を下げようとしています。
まずは自社の人材の囲い込み。
自然と、労働市場の人材は少なくなります。
育成できる会社が魅力的
そして、「この会社で働けば、自分が成長できる」と言う組織としての魅力が上がりますので、採用にも有利です。
最近の若手社員の離職理由の上位に、「ここでは成長できる気がしない」と言うぬるま湯感が上昇してきました。ブラック企業が敬遠されるのは納得がいきますが、自分を成長させる環境を重視しているとは、若手の意識の高さに驚きですよね。
人材育成プログラムは、企業のブランディングと並んで、選ばれる会社になるための必須要件となっています。
(もちろん、育成による生産性向上→給料UPは一番の魅力です)
中小企業ならではの人材育成戦略とは?
大手企業と同じ育成プログラムを運用することはなかなか困難です。大手企業では、基本的に総合力を重視しますので、あらゆるビジネススキルやコンピテンシーをしっかりと教え込むようになっています。
ヒト・モノ・カネといったリソースが限られた中小企業においては、充実した育成プログラムを実行することは難しいですよね。捨てるものは捨て、これぞと言う教育をしっかりと行うことで、特別な強みがあるトンガリ人材を育てることが必要です。
まずは、Pから。人材育成の5ステップとは?
人材育成には5つのステップがあります。
そのうちの2つは、PDCAで言うP=プランに当たります。
まずはここが重要。
あとは、続く
- Do=育成の実施
- Check=効果の検証
- Act=方向修正や改善
をしっかりと進めるだけ。
ステップ1 あなたの会社のミッションに必要な人材とは?
まず、第一に、あなたの会社のミッションとは何でしょうか?
「利益を上げる」とか「事業を存続させる」と言うのは、目の前の目的に過ぎません。地域において、その会社があなたの会社がなぜ存在しなければならないのでしょうか?
ミッションとか、パーパスとか、いろいろ表現はありますが、まずはそれを定義します。
そうすると、必要な人材の姿が見えてきます。
例えば、
- 開拓精神が旺盛な人
- 相手のニーズを聞き取ることが得意な人
- 人を育てることが得意な人
- 先を見越した戦略を立てるのが得意な人
戦略としては、2択しかない。
必要な人材が決まったら、実際に御社におられる人材を当てはめてみてください。
ほとんど当てはまったと言う会社は、戦略的に人事を進めておられたのでしょうか。もうこの記事をこの先を読む必要もない位です(笑)
普通はある程度ギャップがあるはずです。
さてどうしましょうか?
選択肢は2つしかありません。
- 育てる
- 採用する
採用と言う選択肢はコストがかかりますが、経営判断としては大切です。
採用したとしても、すぐにドンピシャの人材に出会えるとは限りませんので、早めに採用に動いた上で、採用できた人材のギャップをさらに育成で埋める必要もあります。
ステップ2 具体的な育成計画
今おられる人材を育てる場合は、ギャップを埋めるための育成計画を設計します。
これが2つ目のステップになります。
ギャップがわかっていますので、何を補えばいいのかが分かりますよね。
中小企業ならではの一人ひとりにカスタマイズしたきめ細やかな育成プランを立てます。
いつ、誰が、何を、どうやってといった具体的な計画にまで落とし込めると、もうスタートしたも同然です。
コミュ力は絶対
いろんなギャップがあると思いますが、全てにおいて共通するのがコミュニケーションスキルです。つまりは、相手との対話において、適切な意思疎通を図ることができる、そんな人材はどんな仕事でもうまくこなすことでしょう。
- 聴く
- 伝える
- 導く(育てる)
極端な話、まずはこのスキルだけを上げることを考えても良い位です。
難点としては、これを社内の研修でやろうとすると、普段の人間関係が邪魔をして、なかなか習得しにくいと言うこと。社外の研修講師や動画など、外部コンテンツを活用したいところです。
戦略は誰が立てるのか?
ここまで簡単に書いてきましたが、人というのは本当に複雑です。一人一人に合わせた緻密な設計をする事は、非常に大変。でも、会社の未来を左右する最重要の課題です。
オススメは、社長自ら陣頭指揮をとってプロジェクト化すること。スキルの高い人事部に任せることも良いですが、任せきりにしないことが大切ですよね。
なかなかそこまで手が回らないと言う場合は、専門家の手を借りることも考えられます。その場合も、社外に任せきりにせず、社内人材と一体になったプロジェクトとして進めることで、成功確率が上がります。
いかがでしたでしょうか?
大変そうに思えることも、まず1つの部署でもいいので、やってみることです。完璧なものを作ろうとしないで、ゼロよりはマシと言う割り切りで、まずは進み始めましょう。
次回のテーマは、
どうやったら自律型人材を育てられるのか?
どうぞお楽しみに。