楽しんで学ぶということ

前回までは人事管理の難しい話が続きましたので、すこし柔らかめの話を。

楽しく学ぶと、人は気づき、記憶に残り、行動する、という話です。

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砂に水をまくような社員研修

「教育が大事」ということは、経営者のみなさんはよく理解されていて、社内・社外の研修を実施されていることと思います。ところが、受講する従業員によって効果にバラツキがあるのが現実。

  • 1つの研修で目覚めて行動が大きく変わる人
  • コツコツと研修の知識を自分のものにして着実に成長する人

「いいじゃないか。どんどん教育しよう」と思われますよね?

ところが、

「全く理解できなかった。」

あるいは

「学ぶ気が無かった」

という人が一定数いるものです。

そして一番多いのが、

「学んだけど、時間が経ったら忘れてしまった」

という人です。

働きアリの2:6:2の法則は聞いたことがあると思います。

よく、人材の優秀さをたとえて使われる概念ですが、この6にあたる普通の人は真剣に学んでいても「忘れてしまった」となるのが悲しい現実です。

教育にはコストがかかります。資源が必要です。でも教育というのは、必ずリターンが得られる投資でもあります。

経営者としては投資した資源は着実に回収したいですよね。いったい、どうすれば良いのでしょうか?

記憶に残る研修の方法とは?

仕組みづくりによって、強制的に研修のPDCAを回すことは可能です。これは別の機会にお伝えいたします。

今回は、楽しんで学ぶことによって「忘れてしまった」を減らす方法をお伝えします。

一番の解決方法は、楽しい研修にするということです。ベストなのは、ゲーム性をもたせるということ。

パッケージになったカードゲームでの研修もたくさんありますが、それに限定せずともゲームのように「夢中になって楽しめる」という要素があればOKです。

ポイントは以下の3つです。

  1. 楽しいと感じるコンテンツを提供する
  2. 体感してもらう。(考える。体を動かす。話す)
  3. キーメッセージを絞り込み、印象に残す

私は最近、SDGsゲームを2種類体験しました。いずれも楽しくて、これらの3要素を満たしていました。ちゃんと学んだことを覚えているし、行動も変わりました。

ポイント1.楽しいと感じるコンテンツを提供する

何か目標を与えられて、それを達成しようというゲーム性があるのは一番楽しいです。

ゲームでなくても、グループに分かれて話す機会があるだけでも楽しく盛り上がることがあります。

グループ分けの方法と、話すテーマ、進め方を工夫してみましょう。

ポイント2.体感してもらう。(見る。考える。体を動かす。話す)

ゲームだと、自然にこれができます。視覚的にもわかりやすく、自分から行動して進めます。グループで話し合いながら進めることも多いです。

ゲームでなくても、スライドを目を引く印象深いものにしたり、役割を演じてもらったり、部屋の中で移動したり立ったり、何かグッズを使ったり、いろんな工夫ができます。

ポイント3.キーメッセージを絞り込み、印象に残す

どんな研修であっても、実はこれが一番大事です。

研修にはちゃんと設計方法があるのですが、その中でもこれがエッセンスだと考えています。

人は、10のことを覚え続けられない。

ノートに書いて覚えるのと、行動に反映させるのとは違います。その研修で学んだことのうち、1年後も覚えているのはおそらく1つか2つ。

では、何を学んで身につけてもらいたいかを決める。そしてキーメッセージは一つに絞ることです。

そして、研修の最後に、楽しんだ内容と結びつけてしっかりと伝える。

何度も繰り返し伝える。これでもかというほど繰り返して伝える。

私は10年近く前に受けた人事研修の内容、財務のカードゲーム研修、すべて覚えているのは1つのメッセージだけです。でも、その1つだけでその人の行動が変われば、何も覚えてなくて何も変わらないよりも投資のリターンははるかに高いですよね。

楽しんで学ぶことの有効性はご理解いただけたことと思います。適しているテーマとしては、こんな声の聞こえてくるものを選ぶと印象に残りやすいです。

SDGs・・・「最近よく聞くので大事そうだけど、まだよくわからない。。」

部下の育成・・・「そうそう、それで困ってる。みんな悩みは一緒ですね」

ゲームじゃなくても大丈夫。楽しく学んで印象に残る研修を従業員に提供して、会社を変えていきましょう。

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