11月になるとそろそろボーナスの支給額を決定する時期です。業績に応じて一律支払うと言う企業もあれば、個人個人の働きに応じて支給額が増減すると言う企業もあると思います。
後者の場合、目標管理制度を使っている会社が多いのではないでしょうか。目標管理制度は従業員の動きに統一感を持たせ、やる気を持って取り組んでもらえると言うメリットがあります。
ただ、使い方を間違えると、なかなか成果が出なかったり、従業員の不満につながったりしかねません。
今回は、目標管理制度の落とし穴をひもときながら、どうすればより良い目標を立てることができるのかについてお伝えしていきます。
事業年度の始まりが1月と言う企業もあると思います。それが何月であれ、次の年度が近づくと新しい目標を設定することになります。あなたが立てた会社としての目標をブレイクダウンして部門、そして個人の目標へ落とし込みます。この「落とし込み」の精度が低いとどうなるでしょうか?
あなたが描いた未来の姿は、文字通り「絵に描いた餅」になってしまいます。今日は戦略については話しませんが、その後の展開について注意すべき点をお話しします。
1.Howより大事なWhy
人は感情で動く
上から降りてきた目標をただ淡々とこなすと言う会社もあるかもしれません。この時、訳も分からずに闇雲に行動すると言うことではいけません。人は理由を理解できないと不満に思ったり、納得していないまま行動してしまいます。それではパフォーマンスは低下するばかりです。
この目標は何のため?
自分の行動が会社の、そして社会の何にどう貢献するのか?
それを理解できると、なぜその目標(What)なのか、なぜその方法(How)なのか、その理由(Why)わかります。理解できれば行動は「早く」「効果的に」なります。そうすることで自然と成果が上がるのです。
言葉にしていつも意識する
そのためにはしっかり説明することが必要。その上で、できれば目標の中に従業員自身の言葉でその理由を加えてもらえると、いつも「なぜそれをするのか」を理解して行動してもらえるので、とても効果的です。
例)資源のムダを無くし、会社の利益率を向上させるため、返品率を△%低下させる。
2.モニタリングを意識して数値目標を決める
PDCAに必要な達成基準
目標は立てるだけではいけません。その後にPDCAを回してこそ、実現の可能性が高まります。PDCAのC=チェックが目標のモニタリングとなります。モニタリングをしようとすると、「どうなれば達成したことになるのか?」を誰が見ても判断できるようにする必要があります。
これを「達成基準」といいます。
良い達成基準と悪い達成基準
気をつけないといけないのが、これが曖昧なものであると途中経過も最終評価もできないと言うこと。よく見かけるのが、行動そのものを基準にしてしまうことです。例えばアポを取るための電話をかける件数を達成基準にしてしまうと、どんなかけ方でもいいから数だけこなせば良いと言うことになってしまいます。
- × ~~する
- 〇 ~~であること
例)お客様の信頼を無くさないため、納品スケジュール達成率99%以上であること
数値目標を立てれない部門は
このように、できれば数字で目標を作るとこと(定量目標)が理想です。
ただ、部門によっては定性目標(数字ではなく言葉で表現する目標)しか立てられないところもあると思います。その場合でも、基準を明確にすれば、評価は可能です。
例)期限までに関係者の合意と社長の承認を得て発注できていること。
つまりは、だれが見ても達成できたか出来ていないかを判断できる内容ならOKです。
3.絶対に必要なキャリブレーション
部門任せで確実に達成できるのか?
個人の目標数字を全部集めれば、部門の目標数字を上回るはずです。そして、部門の目標数字を全部集めると、会社の目標数字を上回るはずです。そうでないと、会社目標は部門に展開した時点で「絵に描いた餅」ということになってしまいます。
果たしてあなたの会社ではそうなっているでしょうか?
実際には、下記のようなことがよく見られます。
- 個人の間にも部門の間にもレベルにばらつきがある。
- 実施すべきアクションに抜け漏れがある。
- それぞれが100%達成したとしても、合計したら会社目標に到達しない数字である。
このような場合、あなたが思い描いた通りに会社目標が達成されそうでしょうか?
目標のキャリブレーションとは
そのためにキャリブレーションと言うプロセスがあります。これは、メンバー間、及び部門間での目標のばらつきを修正することです。レベルに差があれば不平不満が生まれます。同じ成果を出したとしても、評価の時に、低い目標では高く評価され、高い目標では低く評価されてしまうからです。
キャリブレーションのやり方はいたって簡単。ただ並べてレベル感の違いを見つけるだけ。ですが、とても手間がかかります。ですが、これをするのとしないのとでは、大違い。大変ですが、ぜひ歯を食いしばってやっておきましょう。
下振れリスクに備える
また、下ぶれリスクにも備えたいものです。すべての目標を合計してピッタリ会社の目標と一致すると言うことでは、実現性に疑問が残ります。全員が目標を達成できることなどなかなか無いからです。
できれば各自が20%ほどの「サバ」を読んだ目標を立ててもらいたいものです。これをストレッチ目標といいます。それを目指して頑張っていれば、どこかの部門がこけたとしても、最終的には会社が立てた数字を達成することができると言う算段です。ざっくりと20%等の上乗せが理想ですが、これは業界や企業によって異なりますので、うまく調整してみてください。
最後に)目標づくりは課題発見から
目標を立てると言うのは本当に大切なプロセスです。まずは課題を見つけて、その課題を解決するための対策を計画に落とし込む必要があります。それを行わずにただ数字だけを並べても、会社は何も変わりません。
「何が課題なのかわからない」
そんな声も聞こえてきますね。できればキーメンバーでワークショップをやるのが理想です。
- 課題が整理される
- やるべきことが明確になる
- メンバーのモチベーションが高くなる
組織を変えるためのファシリテーションご希望の方は、どうぞお気軽にご相談ください。今から十分な準備をして、また充実した1年を迎えましょう。