緊急手術!その前に精密検査を

皆さんは人間ドックで要再検査、要精密検査の結果を受け取ったことがありますか?実は私も経験があります。思わぬ結果に驚いたり落ち込んだり。あるいは1年間頑張ってきた結果が出ずに、去年と同じ健康状態だとがっかりしますよね。

健康診断というのは兆候を見つけるためのものです。これは組織においてはESサーベイに該当します。

サーベイで従業員の声を集めただけでは、まだなんとなくの傾向がわかっているに過ぎません。ちゃんと精密検査、つまり分析をしないと本当の原因や対策がわからないのです。

前回に続きESサーベイについてお届けします。今回は分析とその後の対応についてお伝えいたします。

目次

どう分析するか?二軸で切る

ESサーベイでは30から50問、あるいは100問というたくさんの質問で従業員の満足度を測ります。もちろんすべての項目について対応することができません。何を優先して取り組むのが良いのでしょうか?

まず、スコアが悪いものに優先的に取り組むのが大前提です。

でもそれだけでは無いのです。

どの項目がやりがいにつながっているかを見極めて、最も効果的な項目について取り組むことが効率的です。その項目は組織によって様々です。そのため、まずは項目とやりがいとの相関関係を分析するところから始めます。

  1. 質問項目を「総合点=やりがい+エンゲージメント」を表すものと、個別の質問とに分類する。
  2. 総合点の平均値と各個別質問との相関係数を求める。(Excelの関数にて)
  3. 相関係数が高い項目(=やりがいとエンゲージメントに影響しやすい)を特定する。

相関係数が高い項目 × スコアが低い項目=組織の課題

このように特定することができます。

1つに絞る必要はありません。数個の課題を特定してみましょう。

自由記入コメントは宝の山

組織の規模によって違いますが自由記入欄に従業員の方が込めた思いは会社への熱いメッセージです。

スコアからは読み取れないヒントがいっぱいあります。でも、数が多いと圧倒されてしまいますよね。特に強い言葉に引っ張られないように気をつけましょう。その言葉を出さないといけなかった背景は何だったんでしょうか?

どうすればたくさんのコメントの中から課題を抽出することができるでしょうか?

  1. 繰り返し出てくる、複数人が書いているキーワードを拾う
  2. 連関図法を使って因果関係を特定する
  3. 課題の原因となっているボトルネックを特定する

こうやって整理していけば、膨大な情報の中からやるべきことをわかりやすく抽出することができます。

クイックアクションで社長の本気を見せる

早く変化を見せる

いくつか課題が特定されてきたと思います。中には時間がかかるものや、どう手をつけてよいのかわからないものもあることでしょう。ですが、従業員にとってはせっかく思いを込めて書いたコメントやスコアに対して会社がどう動くのかが非常に気になります。

大事なのは、社長が声を聞いて動いてくれた」と言う事実なのです。クイックアクション(すぐに取り掛かれること)は無いでしょうか?時間や費用をかけずに、さっとできて効果がわかりやすいものにまず手をつけましょう。

クイックアクション(すぐに取り掛かれること)は無いでしょうか?時間や費用をかけずに、さっとできて効果がわかりやすいものにまず手をつけましょう。

伝えることが大事

フリーコメントに対しては、できることなら社長自らが一つ一つ返事を書いていくことが理想です。実際にそうしている企業もあります。

そこまでするのが難しいのであれば、先ほど連関図法で分類した課題を一覧表にして、それぞれの課題に対して取り組み方針を見える化することをお勧めします。

それを従業員の一人ひとりに充分理解してもらうことで、会社は、社長は、自分たちの声をしっかりと聞いてくれるのだと言う信頼関係を築くことができます。それによってES (従業員満足度)が向上する事はもちろん、来期のESサーベイにおいても建設的な意見をインプットしてくれることでしょう。


2回にわたってESサーベイについてお送りしてきました。いかがだったでしょうか?

ESサーベイを実施して何かしらのアクションを起こすことで会社はきっと変わってきます。

何かうまくいかない、それが何かがわからない、そんな組織の病にESサーベイはきっと役に立つはずです。

手遅れになる前に、しっかりと取り組んでいきましょう。

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