「これもいらない、あれもいらない」
断捨離をやった事はありますか?
最初は迷いや執着心が大きくて、捨て去ると言う事は難しいものですよね。でも、少しずつ手放していくと、なんだか心がスッキリしてきます。今までの「囚われ」は何だったのかなと感じるものです。
会議の断捨離は進んでいますか?
前回は労働生産性の低下に大きな影響を与えている会議の時間を大幅に削減する方法、「会議革命」についてお話ししました。
(A +B + C) × D ×E
A=準備時間
B=会議時間
C=議事録を作る時間
D =会議の数
E=参加人数
まずは効果の大きなDとEについてお伝えしました。
会議の種類と参加人数を大幅に見直すことで、会議に費やしている時間、すなわちあなたが投資している人件費を削減し付加価値を高める活動に振り向けることができます。
(A +B + C) × D ×E
A=準備時間
B=会議時間
C=議事録を作る時間
D =会議の数
E=参加人数
今回は残るABCについてお伝えし、会議革命の全体像に迫りたいと思います。
資料職人はいらない
ドラマに出てくるような、「膨大な資料を会議のために準備する」と言う事は今時は少ないのかもしれません。大企業の意思決定には緻密で大量のデータが必要と言う印象がありますが、実は経営がうまくいっている会社ほどシンプルな資料で意思決定をしています。
皆さんの会社でも会議のために何かしらの資料を作っていると思います。最近はPowerPointが主流になっていますが、
- デザインに凝りすぎる
- 情報を詰め込みすぎる
- その結果、資料作りに時間をかけすぎる
このようなことが起こっていませんか?
短時間で効果的な資料作りをするには、ある程度の技術が必要です。
資料作成の技術を正しい方向で磨いていけば良いのですが、先ほど挙げたような非効率な方向に行ってしまうと、まさに「資料職人」といってもよいような人材になってしまいます。
本当に意思決定に必要な情報だけをシンプルにまとめていくことが重要です。
そのためには、ある程度のテンプレート化をして、誰もが必要な情報をシンプルに伝えることができるように整えていくことがとても有用です。
必要事項をシンプルに箇条書きするテンプレートを準備しておきます。
テンプレートの例
- 本日のテーマ・タイトル
- 背景
- 課題
- 原因
- 解決策
- 効果
- スケジュール
このような項目に沿って伝えると、議論する内容が把握しやすいです。そして物事が決まり、前に進みます。これなら、資料作りはあっというまに完了しますよね。
これで、A=準備時間を大幅に減らせます。
No議論, No会議
前回、情報共有だけの会議は不要なのでなくしましょうと言う話をしました。1つの会議の中に情報共有と議論のパートがそれぞれある場合もありますよね。そのような場合も、情報共有の時間は極力短くするとことが大切ですなくしましょうと言う話をしました。1つの会議の中に情報共有と議論のパートがそれぞれある場合もありますよね。そのような場合も、情報共有の時間は極力短くすると言うことが大切です。
どのようにすれば良いでしょうか?
参加者の事前準備を
報告や発表などの情報共有を口頭で聞くのにはどうしても時間がかかってしまいます。その時間を短縮するには、資料を事前に配布しておくことが有効です。メールで見ておいてもらい、極端に言うと会議の中では一切触れないと言うことも可能です。それだと困ると言う場合は、結論や要点などを1分以内で話すだけにします。Q&Aの時間を設けてもいいかもしれません。資料にしっかり目を通していないと質問することはできませんので、情報共有が事前にしっかりできると言うことになります。もちろんこの資料も壮大なものを作り込んでしまっては本末転倒ですので、先ほど述べたテンプレートを使うなど、シンプルに過ごせることを徹底しましょう。
ファシリテーションのスキルがカギ
議論の時間をしっかり確保したとしても、迷走してしまう議論、堂々巡りになる議論であれば、時間ばかりを使ってしまいます。挙句の果てに「では次回もう一度議論しましょう」なんて言う結論になってしまっては、何のために多くの時間を費やしたのか分かりません。
そんなことを避けるために、やはり会議ファシリテーションのスキルは大事です。理想を言えば、立場ではなくてファシリテーションのスキルがある人を議長にすることが解決策になります。
「うちの会社にはそんな人いないよ」と言うことであれば、議長をする人には徹底的にスキルを身に付けてもらう必要があります。今はたくさんの本やセミナーがありますし、YouTubeの動画でもポイントを解説しているものがたくさんありますので、いくらでも学ぶことができます。
ファシリテーションは失敗から学んで、自分の中でPDCAを回していくのが成長への近道だと考えています。私自身もたくさん失敗をしましたし悩みました。試行錯誤してこそ技術が身に付きますので、期待する部下の方にこそぜひチャレンジさせてください。
これで、B=会議時間 の費用対効果は大幅に向上するでしょう。
議事録は会議中に作ってしまう
ある企業の会議議事録を見て驚いた経験があります。なんと、参加者の発言一字一句が文字になっていたのです。議論に加わるメンバーとは別に、議事録担当者が専属で参加していました。ICレコーダーを置いて、まさに文字起こしの仕事をしていました。
国会等の議事録はこのような感じなのでしょうか?事業活動においては、私はこれを議事録とは言わず、発言録と呼んでいます。発言録は文字の量も多く、はっきり言って、読むことも辛かったです。
会議の目的とアウトプット
何のためにこの会議をして、何が決まれば良いのでしょうか?
- 結論
- 次のアクション(誰が、何を、いつまでに)
これらが明確になることが成果物ですよね。
これらをシンプルに表現できれば議事録は充分役割を果たします。
議題ごとにそれらのポイントを書き込めるExcel表などを準備しておけば、簡単に議事録が作れます。
一番いいのは、その表をスクリーンに映しながら議論し、決まった内容をリアルタイムに入力していくこと。参加者の合意のもとで記録が作られ、会議が終わったときには議事録が完成しています。
こうすることで、会議の後に必要な議事録の作成や、改めて参加者が議事録を確認する時間も削減できます。
これで、C=議事録を作る時間 が大幅に減りますね。
今回は一回あたりの会議とそれに費やす準備や議事録作成の時間をいかに削減するかと言うことをお伝えしました。いかがだったでしょうか?
企業によっていろんなスタイルの会議があると思います。企業文化が会議のスタイルに現れていますので、すぐに会議のスタイルを変更することは難しいかもしれません。お伝えしたアイディアのいくつかでも少しずつ取り入れていただければ、社員の皆さんの会議に対する考えが変わってくると思います。
あなたの会社の会議が効率的で成果を生み出す会議になりますように。