見える化による○○力の強化

先日、スキルアップのためにセミナーに参加し、とても感銘を受けました。組織の力を高めるためには、こんなに緻密な方法が必要なんだと実感いたしました。その組織の力というのが成果を左右する力であるとしたら、そのためにはとことん投資すべきだと思います。

ところでいきなりですが、あなたに質問です。

「御社の営業力に自信はありますか?」

営業現場というのはどんな活動をしているか詳しく知ることができないブラックボックスですので、「何が起こっているのかわからない」という社長さんが多いです。本来でしたら正しい手法、正しいプロセスが組織的に実施されているべきですが、いかがでしょうか?

しかも、営業スキルは属人的であることが多く、エースが辞職すると売上も下がってしまうことがあります。これでいいのでしょうか?

経営とは、限られた資源を最も効果を上げられる活動に投じるものですよね。この人件費が正しく運用されていないとしたら、いかがでしょうか?

  • 「市場が悪い」
  • 「競合他社が悪い」
  • 「自社商品が悪い」

そんな言い訳ばかりしている営業担当がいたら、いつまでたっても売上は上がりませんよね?正しいインプット(=正しい手法で、組織的に)が成果を上げるための最低条件なんです。

先日のセミナーで学んだメソッドが、営業活動を「あるべき状態」にするのにとても効果的でした。

目次

アンケート+分析で可視化する

中心となるのは営業力診断アンケートを使った可視化(見える化)です。製造業の工場の場合ですと、現場の観察や作業者への質問、あるいは管理している数字を見ればできます。ところが営業活動の場合は先ほど述べたようにブラックボックスですので、このようなアンケートが有効です。

五つの評価軸

以下の表にあるような五つの軸でアンケートに答えてもらいます。それぞれ20問程度で、4段階で評価してもらいます。評価軸となっている五つの力は、戦略を営業部が実現するために必要な内容となっています。

戦略力

  • 全社経営戦略に沿った、営業方針の構築
  • 強みが生きるターゲット市場・顧客の選定

計画力

  • 営業方針に沿った訪問計画(対象と頻度)
  • 訪問時の課題設定と事前準備

行動力

  • 訪問計画に沿った十分な訪問頻度
  • キーパーソンへの接触量、上司の同行頻度
  • 新規顧客リストに基づいた訪問量

商談力

  • 顧客の困り事、案件詳細、競合の聴取
  • 最適な提案方法とプレゼン力
  • クロージング力と勝率

管理力

  • 案件進捗と阻害要因の把握・分析
  • 管理者の改善指導への関与
  • 管理者と担当者のコミュニケーション

出典: 営業力を科学する売上UP研究会

上司と部下それぞれの評価差

これらの質問それぞれに今日担当者と上司に対して少しだけ表現を変えた別々の質問が用意されています。同じ設問に対して評価にギャップが見られた場合、その項目はお互いの認識に差があるということになります。問題点はそこに潜んでいることが多いので、重点的に調査していきます。

ギャップへの対策の流れ

アンケートで分かったことは、カイゼンの種。これを活かして成果を生む組織に変えていきましょう。対策は以下のような流れで手を付けていくことが効果的です。まずは本質的な活動に時間を使えるような環境づくり。そのためにムダな作業はとことん減らすという改善活動を実施します。

STEP
可視化

アンケートによる現状把握

STEP
改善による時間短縮

短期的効果を狙い、次の対策に取り組む時間を生みだす

STEP
中期的課題への着手

新規開拓活動、SFA(営業支援ツール) 導入など組織の変革を行う

STEP
永続的な売上アップ

売上が上がる仕組みが完成し、運営が続く。

まずは深い調査と分析からすべてが始まります。東方にはアンケートと分析の詳しいノウハウが残念ながらありません。ですがこのセミナーをされた専門の会社に紹介することはできますので、課題解決が必要と感じ、気になった場合は気軽に声をかけてください。

M&AのDDとPMIには必須のプロセス

当方が力をいれているスモールM&Aにおいて、特に支援させていただくのが事業DD(デューデリジェンス)とPMI(M&A後の企業統合のプロセス)です。今回紹介した手法は、これらに活用することが必須とも言えます。

事業DD・・・売り手の営業力を把握するために、営業力診断アンケートを実施

PMI・・・両社の営業プロセスや考え方の違いを見える化して、あるべき姿に統合

営業力は会社の収益を大きく左右するもの。慎重に評価し、あるべき状態になるように取り組みましょう。

あなたの会社の○○力を高めるツール

いかがでしたか?今回紹介したツールや手法は、営業活動以外にも応用ができないでしょうか?見える化と改善のプロセスは様々な課題解決に役立ちそうです。

とはいえ、100問にも及ぶアンケートを準備することは難しいですよね。その場合は、自前のアンケートでもまずは構わないと思います。必要な○○力のあるべき姿を書き出してみると、いくつか質問事項が作れます。

シンプルなものでも構いません。小さな一歩を踏み出してみませんか?

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